最近、当たり前のようにAIという言葉を耳にする機会が増えました。
「AIにやらせればいいんじゃない?」「AIがやってくれる」などと乱用している人も見かけます。
私はシステムエンジニアをしており周りにはプログラミングに精通した社員が沢山おります。
その中でさえ、私が思うに30人に1人程度の人しかAIを正しく語れる人はいません。
遅くとも2045年にはシンギュラリティ(技術的特異点)といい、AIが人間を超える日が来ると言われています。
少なくともシステムエンジニアはAIを正しく理解する必要がありますし、
ITに関わらない職種の人も知らないと恥ずかしいという時代が必ず訪れることでしょう。
この記事さえ読めば、事務職の方、飲食店、アパレル店勤務のITとは程遠い職種の方でも
そこら辺のシステムエンジニアの知識を超えることが可能です。
AIとは?
AIは英語でArtificial Intelligenceといい人工知能のことです。
AIの定義はというと、、、実は明確な定義がないのです。
時代とともに技術が急速に進歩するため定義づけが難しいためです。
私が考える人工知能の定義とは「人間の思考など脳が行なっている処理をプログラミングによって再現したもので学習を行うもの」です。
例えば、パソコン上で扱える電卓がありますが、3+10=と計算を行うと13という結果が返ってきます。
これは、初めから計算式がプログラムされており、何年使っても3+10が13以外の答えとなることはなく人工知能ではありません。
人工知能は、人間の脳を再現したもので学習を行うものと説明しました。
学習とはなんでしょう?
学習とは人がこれはこうだと答えをプログラムするのではなく、機械自身が答えを学んでいくということです。
例えば馬の写真を読み込ませて馬かどうか判定するプログラムがあったとします。
それが、一致度50%とAIが判断していたものが、学習を重ねることによって
1年後には同じ写真でも一致度が98%と判定することが可能になるのです。
機械学習とは
機械学習とは人間が持つ学習にあたる仕組みを機械で実現する技術のことです。
機械学習を2つに分類すると「教師あり学習」と「教師なし学習」に分けられます。
教師あり学習は入力データと出力データ(正解データ)を人間が教師役として記憶させます。
このように過去データからパターンを学習し、未知の値が来た際に答えを出力します。
逆に教師なしデータでは正解データを含まない入力データを学習させ、規則性などを抽出します。
ディープラーニングとは
この言葉もよく耳にするようになりました。
ディープラーニングでは、ニューラルネットワークというアルゴリズムを使用します。
機械学習>ニューラルネットワーク>ディープラーニングです。
簡単にいうと、森>林>木ということになります。
ニューラルネットワークは人間の脳の神経細胞(ニューロン)の働きを模倣したものです。
ニューロンとは神経細胞のことで、それが、結びつくことによって人間の記憶が定着します。
ニューラルネットワークでは、それを層として表現し、大きく入力層、隠れ層、出力層の3層に分類されます。
過学習とは
例えば、茶色の馬の画像を1万回学習させ馬を判定する条件として「四足歩行」「尻尾がある」「茶色」と覚えます。
そして、判定対象の画像に黒い馬や白い馬が来たとします。
その場合に、上記の条件だと
「四足歩行」「尻尾がある」「茶色」であることが馬となるため
「黒色」「白色」と判定された時点で馬と判定できなくなってしまいます。
理由としては、「茶色」=馬という条件で1万回も学習して適合してしまったことによって馬=「茶色」という認識になるためです。
人間だと、緑の馬の画像があったとして「緑?緑の馬なんて見たことないけど色以外はどう見ても馬だな」という判定になりますよね?
その判断ができず、学習したものと一部例外条件が来た際に一致率が下がってしまうことを過学習と呼びます。
AIができること
AIができることとして大きく3つあります。
・自然言語処理
自然言語処理とは聞き手によって意味が変わる言葉を前後の文書から判定することです。
- 機械翻訳
- 対話システム
- 検索エンジン
こんなところで使われていますが、機会翻訳で有名なGoogle翻訳を例にあげましょう。
数年前までは意図しない結果が返ってくることもありました。
現在では、かなり正確な翻訳を行ってくれます。
・音声処理
iPhoneのsiriやスマートスピーカーがまさにそうですね。
人が話した言葉を認識してくれます。
ただ単に文字変換するわけではなく、例えば「まずい」という言葉は
食べ物の味がまずいという意味と、状況がまずいという2つの意味を持ちます。
それを前後の言葉から意味合いまでも判断することが可能なのです。
・画像処理
これは、前述したように画像読み込みなんの画像なのか判断したり
iPhoneのFaceIDで顔認証にも使用されている技術です。
中国では街中にカメラがありそれによってどこの誰かをリアルタイムで判断可能な仕組みなんかもあります。
身近なAI活用サービス
Amazon
商品を購入しようとした時に、この商品を購入したい人はこんなものも購入していますというレコメンドにもAIが使用されています。
大量の購買データから判断し、売上アップにつなげているのです。
Netflix
アメリカの動画配信サイトNetflixでは、現在の流行などからどのようなコンテンツがウケるかを判断し、キャストまでもAIで選出するようです。
彩ちゃん(SAI)
AIが100万種類以上を描く。世界最大の顔イラスト提供サービスです。
まとめ
既に知らないところでAIの技術が使用されており自然と使用しています。
今後、益々技術が発展しシンギュラリティが訪れることでしょう。
正しい知識を身につけて情報社会に取り残されないようにしましょう。